海苔をあぶって使うのはなぜ?

慣習

Q:海苔をあぶると

とても風味が良くなりますね

A:加熱すると

海苔の細胞が破壊され

細胞内のうまみが外に出ます

詳細:海苔をあぶるのは
パリッとさせる他
加熱することで海苔の細胞が
完全に破壊され、細胞内に蓄えられた
うまみが外に出てきます
また、加熱によって
海苔の成分の「アミノ酸」と「糖」が
化学反応を起こして
香りを出すとも言われています
問題は焼き方で、焼きすぎては
せっかくの風味が落ちてしまいます
一度に2枚、160度程の火で
軽く短時間であぶるのがポイントです
これは、1枚を両面焼くと
裏と表では組織の収縮度が違うために
組織がもろくなり
海苔が崩れやすくなってしまうからです
もし、一枚だけ焼く場合には
半分に折ってからあぶると良いようです

お払いのようにコンロの上で

炙ったのを思い出します

炙っているときの

「もういい?」

「もう少し」

「やり過ぎじゃない?」

「大丈夫」

少しハラハラがある中で

家族と一緒に炙っているひと時は

平和で優しい雰囲気がありましたね

懐かしい😿

それでは海苔について

少し見ていきましょう

海苔

概要

海苔(のり)とは、紅藻緑藻シアノバクテリア(藍藻)などを含む、食用とする藻類の総称。

ー略ー

日本語の「ノリ」はヌラ(ぬるぬるするの意)を語源とする。

引用元:wikipedia~海苔~

語句

紅藻(こうそう):多細胞生物で沿岸岩礁域に生息、海藻として種類が最も多い(7000種以上)、赤い光合成の色素タンパク質「フィコエリスリン」を多く含む、アマノリ・フノリなど

緑藻(りょくそう):緑色植物のうち陸上植物を除いたものを指す、クロレラ・ミカヅキモなどの小さい藻から、アオサ・マリモなどの大きい藻まで含む

シアノバクテリア:酸素を発生させる光合成を行う細菌

海苔の種類

日本で利用される海苔はアサクサノリ(浅草海苔)・スサビノリ(荒び海苔)・ウップルイノリ(十六島海苔)が代表的です
十六島:島根県出雲市

加工

加工概要
生海苔加工前の生の状態
鮮度が重要な為、収穫期の冬にしか出回らない
乾燥海苔生海苔を板状に漉(す)いて乾燥させたもの
使用前に焼くと風味が増す
焼き海苔乾燥海苔を焼いたもの
最もよく使われる状態
味付け海苔焼き海苔に砂糖や醤油で味付け後に乾燥させたもの
韓国海苔はオニアマノリ等に塩とごま油で味付けする
青海苔原料を乾燥させて粉砕したもの
香りや色付けに使用される

代表的な海苔

種類概要
アサクサノリアマノリ属の紅藻
現在は有明海の一部で養殖されている
絶滅危惧種に指定されている
スサビノリアマノリ属の紅藻
東北以北の太平洋側で自生
日本各地で養殖されている
現在最も利用されている種
ウップルイノリアマノリ属の紅藻
岩海苔(岩場に自生する天然物)の代表
アマノリ属が殆どですね

海苔の色

海苔を構成する色素には湿気や熱に対する耐性の違いがあるようです

色素湿気耐性熱耐性
クロロフィル
フィコエリトリン
フィコシアニン
※少量のカロテノイド(黄色)も含まれています
特徴
  • クロロフィルの量が多く透かして見ると緑色に見える
  • クロロフィルは湿気に弱く、フィコエリトリンフィコシアニンは湿気に強いので、湿気にさらされると赤と青を合わせた紫色に変色することがある
  • 反面、クロロフィルは熱に強く、フィコエリトリンフィコシアニンは熱に弱いので、焼くと鮮やかな緑色が残る
  • いずれにしても海苔にとって湿気は変色や食感を損なう大敵

海苔の養殖(有明海)

岩海苔は天然物ですが、家庭で使用される焼き海苔の殆どが養殖となっています

工程概要
培養3~8月牡蛎の殻に海苔の胞子(糸状体)を付ける
支柱立て9月海苔の網を張るための支柱を立てる
種付け10月牡蛎殻1~2個を「落下傘」といわれるビニール袋に入れて網の下に吊るす
確認種付けされているか確認
干出
(かんしゅつ)
太陽と風に当てて網を干す
秋芽を残す11月2期作・3期作に使われるものは冷凍する
冷凍しても海苔は生きている
収穫12月~翌3月初摘みは光合成をする前の夜明けに行う
加工異物や砂などを除去し洗浄する
出荷検査場で形状・色・ツヤなどから等級を判別する
参考:住吉海苔本舗~おいしい海苔ができるまで~
約一年がかりの大変な作業
天候にも左右され
お値段が張るのも頷けます

海苔にまつわること

  • 古くは奈良時代に編纂された「常陸国風土記」や「出雲国風土記」にも登場している
  • 江戸時代には和紙の技術を用いて海苔の養殖に流用される
  • 板海苔は「縦21㎝×横19㎝」が基本形(全型)で、板海苔10枚で「1帖(じょう)」という単位となる
  • 全型を8等分すると小分けパックなどのおかず海苔となる
  • 海苔を干す際に、すだれ側の面が凸凹になりやすく、火で炙ると焦げやすいので、反対側のツルっとした面を炙ると焦げ防止になる
  • 海苔にはグルタミン酸(昆布)・グアニル酸(椎茸)・イノシン酸(鰹節)の3大うまみ成分が含まている
  • 生産量は佐賀県が1位で兵庫県と福岡県が後に続く
  • 日本人には海苔に含まれている多糖類を分解する酵素を持っている人が多い
  • 「海苔」は「Seaweed(海草)」が一般的だが、「nori」でも通じることがある
  • 海外の人は海苔に「カーボン紙」などを連想させるようで、海苔を内側に巻く寿司が垣間見られる
  • 海苔は犬や猫に与えるとマグネシウム多量摂取により、尿路疾患などの影響がある

語句

常陸国(ひたちのくに):現在の茨城県の大部分

出雲国(いずものくに):現在の島根県東部

風土記(ふどき):その地の風土・産物・伝説などを記したもの

猫ちゃんに海苔をあげても食べない気がしますが、影響があるのなら食べさせようとしない方が賢明ですね

私的好きな海苔

味付きもみのり

  • まず、「こわれせんべい」「潰れ梅」などの訳アリ品や、「パンの耳」「鶏の皮」などの除去された余り物のようなお得でありながらちゃんと美味しいものが好きです
  • 「もみのり」も訳アリ品や余り物のカテゴリーで、デパ地下のお茶屋さんや、アメ横の出店でよく「味付きもみのり」を袋ごと買って食べていました
  • そのままでも良く、汁物の具としても良く、醤油をかけておかずにしても良く、とても汎用性の高い食品です
  • 海苔は値段が高いというイメージがありますが、上記のようなお店でまとめて「もみのり」を買うと結構な量があってもそれほど高くはなく、100g(海苔30枚相当)で300~500円程度でした
  • ネットで見てみると、「もみのり」100g1000円以内のものもありますが、送料の方が高かったりで躊躇してしまいます
  • 近年は寧ろ栄養分まで除去されて海がきれいになったことで生産量が減少し、値上がったという話もあるので変動はしますが、自ら買いに行けば割合安く手に入ります
  • ちゃんと空気を抜いて袋に入れてくれるので、持ち帰りの荷物の心配も殆ど無いです
思い出したら、久しぶりに袋一杯の「味付きもみのり」を食べてみたくなりましたね🤤

はばのり

※イメージです
  • 自身の家庭のお雑煮は、長ねぎとお餅だけという単純なものでした
  • 鰹節から出汁をとって、醬油ベースのツユに一度焼いた餅を入れて煮ます
  • 出来上がったお雑煮に、炙ってクシャクシャに粉砕した「はばのり」を鰹節と共にふりかけとして上からかけていました
  • 「はばのり」は自身の家庭では「はばのりが無いのなら雑煮は作るな」というほど定番の海苔で、値段が高くても(1枚1000円~2000円程度)毎年用意されていましたね
  • お雑煮といえば真っ先にこの「はばのり」の有無を気にする家庭で、調べてみると千葉県の房州(千葉県南部)でよく食べられているようです
  • ツユに浸すと、海苔というより昆布のような弾力があり、程よい塩味と香りがお雑煮全体に広がります
  • 味覚がある方ではないのですが、普通の海苔を試したらツユの中ではクテクテで全然香りや味わいが異なり、物足りなかったのを覚えています
試したことが無い方は一度「はばのり」をふりかけてみると、もう他の海苔では満足出来ないこと請け合いの高級海苔です

まとめ

まとめ
  • 海苔を炙ると食感・香り・うまみなどを引き出すことが出来る
  • ツルっとした面を焼くと焦げやムラが少ない
  • 日本で利用される海苔はアサクサノリ・スサビノリ・ウップルイノリが代表的
  • クロロフィルは湿気に弱く熱に強い、焼くと鮮やかな緑色が残る
  • 味付きもみのりはお得で、はばのりは美味しい(個人的見解)

 

🍣をはじめ、🍙や🍘など

日本人にとって海苔は

とても身近な海産物です

海外では🍣のブームも手伝って

かつてほど海苔のイメージが

悪くはなくなってきたとはいえ

依然として黒い色に対する抵抗と

「カーボン紙のようだ」

という食物以外の印象は拭えないようです

日本人がエスカルゴに抵抗があるのと

同じようなものでしょう

各国毎の文化の壁はやはり厚い

薄い海苔がそう教えてくれました

最後までご覧下さり

ありがとうございました



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