完璧の「璧」の字源は?
由来
2018.11.17
Q:「完璧」と「鉄壁」の
「ペき」の字が違いますね
A:「完璧」の「璧」は
「宝玉」であるという
ところからきています
詳細:中国の
戦国時代(紀元前4~2世紀)のこと
秦の
昭襄王(しょうじょうおう)は
趙の
恵文王(けいぶんおう)に
自分の領地にある15の城と
恵文王が持っている
「
和氏の璧(
かしのへき・
かしのたま)」
という宝玉を交換しないか
と持ちかけました
これは昭襄王の策略でしたが
趙の外交官の藺相如(りんしょうじょ)は
この企みを見破り
無事「和氏の
璧」を持ち帰りました
ここから「
璧を完う(まっとう)」する
という意味で
「完
璧」という言葉が生まれました
従って「完
璧」の「
璧」は
「
宝玉」という意味になります
因みに「双
璧」も「一対の玉」
という意味が転じて
甲乙つけがたい優れた人物や
ものの事をいうようになりました
秦(しん):紀元前905年~紀元前206年、中国の王朝、戦国七雄の1つ
戦国七雄(せんごくしちゆう):中国の戦国時代に有力だった七国、「秦・楚(そ、紀元前11世紀~紀元前223年)・田斉(でんせい、紀元前386年~紀元前221年)・燕(えん、紀元前1100年頃~紀元前222年)・趙(ちょう、紀元前403年~紀元前228年)・魏(紀元前453or403年~紀元前225年)・韓(かん、紀元前403年~紀元前230年)」の七国
昭襄王 :秦の第28代君主
恵文王(趙):趙の第7代君主
漢字の先輩である中国の
大昔の出来事から
成り立った漢字でした
それを違う国で
現在でも使用しているというのは
とても素敵なことです
「かしのたま」の逸話について
少し見ていきましょう
和氏の璧の逸話
楚の国にいた卞和(べんか)という人が、山中で玉の原石を見つけて楚の厲王(蚡冒)に献上した。厲王は玉石に詳しい者に鑑定させたところとただの雑石だと述べたので、厲王は怒って卞和の左足を切断する刑をくだした。厲王没後、卞和は同じ石を武王に献上したが結果は同じで、今度は右足切断の刑に処せられた。文王即位後、卞和はその石を抱いて3日3晩泣き続けたので、文王がその理由を聞き、試しにと原石を磨かせたところ名玉を得たという。その際、文王は不明を詫び、卞和を称えるためその名玉に卞和の名を取り「和氏の璧」と名付けた。
そののち、宝玉は趙の恵文王の手にわたり、秦の昭襄王が自領にある15の城と交換に入手しようと持ちかけられた。しかし、秦が信用できるかどうか悩んだ恵文王は藺相如を秦に送った。命をかけた藺相如の働きにより、約束を守る気の無かった昭襄王から璧を無事に持ち帰ることができ、「璧(へき)を完(まっとう)する」ことができた。少しのきずもない、完全無欠なことを「完璧」と称するのは、そのためである。また、15城もの価値がある璧だと「連城の璧」と称されるようにもなった。
参考:wikipedia
厲王(蚡冒):れいおう・ふんぼく、厲王は西周(紀元前1045年~紀元前771年、古代中国の周王朝前半)の第10代王、蚡冒は楚の君主
文王(ぶんおう):楚の王
王と君主
君主号(くんしゅごう)とは、君主の称号のこと。本来は、その文明や国家、民族、伝統などに特有の尊称により呼ばれている。君主一般を指す一般名詞は「王」または「国王」で、より上位の君主は「諸王の王」や「大王」である。ただし中華文明では「皇帝」が周辺国の「王」よりも上位との認識が発生した(冊封)。
参考:wikipedia
冊封(さくほう):冊書をもって諸侯を封建すること
冊書(さくしょ):天子が臣下に命令する文書
天子(てんし) :中国の皇帝や日本の天皇といった君主の称号
封建(ほうけん):君主の下にいる諸侯たちが土地を領有(自分のものであると主張)して、その土地の人民を統治する社会・政治制度
壁(かべ・へき)について・あとがき
壁は
形声文字辟(へき)は平らに広がるという意味で
壁は土が平らに広がる情景となります
形声文字:意味を表す部分(意符)と音を表す部(音符)で構成される文字で、漢字の中に同じ音の漢字がある文字
中国の漢字は
読み方も書き方も難しく
漢字1つとっても深い歴史が
関わっていることが分かります
ご自身の名前に使われている
漢字について調べてみるのも
一興かもしれません
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